蔵出し クラウドナイン page.1

如月小春 × 木野 花
1988.1.26

1988年「月刊すばる」(集英社)誌での、如月小春さんによる木野花へのインタビュー。すばる編集部、
如月さん御関係者さまに了承いただき、女性演劇人同士の「クラウドナイン」考および「演劇」考、抜粋しました。
(写真撮影:中野義樹)

失敗してもいいから、一番怖いのをやってやれ

如月 木野さん、最初にお会いしたのはいつごろだったかしら。五年ぐらい前?
木野 『美術手帖』の仕事が最初だから、そのころですね。
如月 そのあとも何回かお会いしたんだけど、挨拶するだけで終わっちゃうことが多くて。私、芝居やってる人とあまり話さない方だから。
木野 年に二、三回は会ったよね。私も演劇関係で、ちゃんとつき合っているのは、えり子(渡辺)ぐらいで、ほかの人とはあまり話しないものね。
如月 だけど、私『CLOUD9』を見た時、ちゃんと話しをしてみたいと思ったの。びっくりしたわけ。日本にはこういう作品を上演しようという人はいないだろうと思ったの。戯曲は読んでいたから。木野さんにとっても、あの『CLOUD9』との出会いって、大きかったと思うんだけど。
木野 最初は、こんなの私の手に負えないって断ったの。あれを出した出版社の人から勧められたんだけど、読んでみたらものすごく難しいのね。大人の脚本でしょう、言ってみれば。
まだセックスなんて「セ」の字も言いたくないような時だったから、絶対だめだからって断ったの。そしたら文学座が、もろに新劇でやって、ああやらないでよかったと思ったのね。それから二年位たってから、もう一度、話が来た。
その時の「青い鳥」の状況というのが、外部に向かって窓を開けないと行き詰まるというか、何か突破口が欲しいなって思っていた時だったの。それで、失敗してもいいから、一番怖いのをやってやれと思っちゃった。
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